gevoel

 
 
 
冷たい影 冬の街路樹
歩く街並みの中
繰り返す吐息に混じる
凍てつく胸の在り処
 
戻れないと、そこで呟く
失くした愛の記憶で
色あせた涙の理由に
溺れつづけていく
 
心から 奪えない瞳
まだ 見つめている
寄り添い 告げたはずの言葉
 
今だけは優しくしないで
最後にくれた口づけは
白い雪に ただつつまれてく
愛を届けたい 貴方に 貴方に
 
愛しさを嘘で騙して
抱きしめた哀しみを刺す
もう大丈夫と手を離して
頬に流れる 涙は捨てたから
 
変わらない季節、景色は
明日も在ると信じてた
壊れた鍵 心の扉
どこに置き忘れたの
 
揺れた髪に 届かない気持ち
いつか忘れさせてと
切ない願いの果ては
偽れない証
 
愛しても 苦しすぎるから
どうか 強く囁いて
鏡に映る現実を消して
 
振り返る 見慣れた横顔
瞬間が愛がそこにある真実
 
舞い降りた雪の欠片が
この街をただ染めてく
もう一度抱きしめさせて
手のひらに溶ける
 
どうか今だけは優しくしないで
最後にくれた口づけは
白い雪に ただつつまれてく
愛を届けたい 貴方に 伝えたい
貴方に 最後に
 
愛しさを嘘で騙して
抱きしめた哀しみを刺す
もう大丈夫と手を離して
遠い日に帰る
 
どうしても叶わない愛を
求めてしまう哀しみ
重ね続けた口唇だけ
過ぎ去る貴方を 刹那に刻みつける