傷口-KIZUGUCHI-

 

 
ねぇ、不安とか悲しみが
胸の奥を痛くするよ
「傍にいて」呟いて
伸ばした指 あなたはいない
 
後悔で叶うなら
ただ時間を巻き戻して
怖い夢と言わせて
独りじゃもう目を覚ませない
 
冷たく凍る 傷口
そんな顔は まだ知らなくて
涙さえ 突き刺さる
 
ふたり引き裂いた ただ一言が
唇から零れるより早く
私を溶かして 春に降る雪みたいに
背を向けたあなたの 優しい掌が
もう戻らないなら どうか
永遠に凍てついたままで
 
もう 数え切れない記憶
裏返して捜すけれど
微笑みが欲しいのに
悲しい瞳に囚われる
 
寂しさ掬い上げて
甘えていた 愛しい日々は
幻よりも僅か遠く
 
気付かずに過ぎた境界線
もう戻れない 温もりを壊して
ふたりの答えは、出会わなければよかった?
最後の言葉と 残した声
遠ざかるのに 傷痕にならない
あなただけ いつか忘れても
 
ふたり引き裂いた ただ一言が
唇から零れるより早く
私を溶かして 滲んだ空に願うけど
この涙に限りがなくても
わかってるよ 春の雪は降らない
永遠に・・・
 
あなたを感じる 確かなモノ
痛くてもいい くちづけた傷口
今はまだ、凍てついたままで